図鑑をひらく ↗
マグロの仲間(クロマグロ)
WILDLIFE / GROUP GUIDE

TUNA

マグロ

泳ぎ続ける、海のアスリート。

サバ科・マグロ類

01

基本情報

広い海を回遊する海のアスリート。速さの裏には、体温を保つ特別な循環の仕組みがあります。 今回は主としてマグロ属 Thunnus の代表種を収録します。クロマグロは太平洋クロマグロを指します。
NUMBERS & HABITAT / 数字で見る生態

数字で知る、マグロ。

グループ全体の数値を一つに平均せず、代表的な種類ごとに確認できる数値を比べています。

野生個体数
比較可能な数値を確認中

種ごとに調査条件が揃う資料が必要です。

— は測定条件が一致する数値・十分な根拠を確認できない項目です。別種の値で補いません。

02

体のしくみ

暮らす場所と体の仕組みがどう結びつくのか。違いを具体的にたどります。

クロマグロの写真
写真を読み込んでいます
クロマグロ
ANATOMY / 01

マグロの体は外洋で泳ぎ続ける形

流線形の胴と三日月形の尾が長距離の移動を支えます。

しくみと背景を詳しく読む

マグロ類の紡錘形の体は水の抵抗を減らし、力強い尾の振りで前へ進みます。多くの種類で遊泳筋や血管の配置が発達し、広い海を移動しながら魚やイカを追います。

ただし全種が同じ水深を利用するわけではありません。メバチは深い層を頻繁に使い、キハダは暖かい上層を利用することが多いなどの差があります。

同じ姿に見えても、体の細部と行動を合わせて見る必要があります。

ミナミマグロの写真
写真を読み込んでいます
ミナミマグロ
ANATOMY / 02

周囲の海水より暖かい筋肉

熱の交換を利用し、泳ぐ能力を助けます。

しくみと背景を詳しく読む

一部のマグロ類は筋肉で生じた熱を血管のしくみで保持し、比較的冷たい水でも活動しやすくなっています。

これは人間のように全身の体温が一定という意味ではありません。温度が高く保たれる部位と程度は種類・環境で異なります。

広い水温帯を回遊するクロマグロと、熱帯の表層を多く利用するキハダでは、同じ仕組みの意味も変わります。

クロマグロの写真
写真を読み込んでいます
クロマグロ
ANATOMY / 03

クロマグロ:冷たい海でも筋肉を働かせる「熱交換器」

周囲の水温より筋肉を暖かく保てる仕組みがあります。

しくみと背景を詳しく読む

クロマグロは泳ぐ筋肉で生まれた熱が簡単に外へ逃げないよう、近接する動脈と静脈で熱を受け渡す向流熱交換の仕組みを持っています。これにより、冷たい海域でも泳ぐ筋肉や一部の器官の働きを維持しやすくなります。

「体温が完全に一定」という意味ではありません。部位によって温度が異なり、周囲の水温や活動量の影響も受けます。

熱帯の表層を主に使うキハダと比べると、温度の違う海を横断できることがクロマグロの生活に大きく関わっています。

03

驚きの生態

驚きの事実を紹介し、その理由や背景まで詳しく解説します。

クロマグロの写真
写真を読み込んでいます
クロマグロ
DISCOVERY / 01

同じ「マグロ」でも姿と生活史が違う

目、胸びれ、産卵場まで多様です。

しくみと背景を詳しく読む

ビンナガは長い胸びれ、メバチは大きな目、キハダは目立つ黄色いひれなど、見分け方の手がかりがあります。クロマグロの一部は太平洋を横断し、ミナミマグロは南半球の海を回遊します。

見た目の特徴だけでなく、どこで成長し産卵するかまで違います。

漁獲された魚の名前だけから生活史を推測しないことが大切です。

ミナミマグロの写真
写真を読み込んでいます
ミナミマグロ
DISCOVERY / 02

「世界に何匹」という数が出しにくい理由

種ごと・海域ごとの資源評価が必要です。

しくみと背景を詳しく読む

同じマグロでも海域ごとに別々の資源集団が管理されます。大きさや年齢の違う魚が混じり、回遊によって見える魚の数も変わるため、単純な頭数調査には限界があります。

研究者は漁獲量、調査船のデータ、成長と繁殖の情報などを組み合わせて資源状態を評価します。

保全状況の数字を見るときは、種名・対象海域・評価年をセットで確認します。

クロマグロの写真
写真を読み込んでいます
クロマグロ
DISCOVERY / 03

クロマグロ:太平洋を横断する個体がいる

日本近海と北米側の海は、ひとつの生活史でつながっています。

しくみと背景を詳しく読む

太平洋クロマグロの一部は西太平洋で生まれた後、東太平洋まで移動し、成長段階で海域を使い分けます。すべての個体が同じ経路をたどるわけではありません。

広域回遊のため、一か国の漁獲管理だけで資源全体を把握できません。産卵場所だけでなく、成長する海域と漁場を含めて考える必要があります。

ミナミマグロの写真
写真を読み込んでいます
ミナミマグロ
DISCOVERY / 04

ミナミマグロ:産卵場は南の海の真ん中ではない

南半球を泳ぐ成魚は、産卵期に暖かな海域を使います。

しくみと背景を詳しく読む

ミナミマグロは南半球の温帯域で成長しますが、産卵はインドネシア南方沖の比較的暖かい海域で行われることが知られています。

幼魚と成魚が利用する海域が違うため、同じ場所で漁獲調査を続けても種の生活史全体は見えません。

遠い海に暮らす大型魚が、繁殖期には特定の海域に集まる点が興味深い特徴です。

04

食べものと食べ方

主食だけでなく、食生活の多様さや採食の工夫にも注目します。

ふだんは何を食べる?

小魚、イカ、甲殻類などを食べる外洋の捕食魚です。主食は種類や大きさで変わります。

食生活の意外な一面

メバチは比較的深い海の餌も利用し、ビンナガも魚やイカを捕らえます。

食べ方・食事の間隔

餌の集まる海域へ回遊し、泳ぎながら獲物を捕らえます。

05

野生の暮らし

環境や食物網、保全の課題まで。種ごとの暮らしを比べます。

クロマグロの写真
写真を読み込んでいます
クロマグロ
FIELD NOTES / 01

クロマグロ:暮らしを決める、環境との関係

クロマグロの回遊は西太平洋と東太平洋の漁業を結びつけます。

しくみと背景を詳しく読む

資源管理は漁獲枠だけでなく未成魚をいつ・どこで獲るかも重要で、国際的な科学評価と調整が必要です。

クロマグロを守るには、実際に利用する餌場・繁殖地・移動経路を一体として考える必要があります。

ミナミマグロの写真
写真を読み込んでいます
ミナミマグロ
FIELD NOTES / 02

ミナミマグロ:暮らしを決める、環境との関係

ミナミマグロは広い外洋を移動するため、南半球の複数国の漁業と関係します。

しくみと背景を詳しく読む

ミナミマグロは広い外洋を移動するため、南半球の複数国の漁業と関係します。

産卵に使う海域と成長に使う海域をまたぐ保全には、国際的な資源評価と漁獲管理が必要です。

ミナミマグロを守るには、実際に利用する餌場・繁殖地・移動経路を一体として考える必要があります。

06

仲間を探す

写真を選ぶと、それぞれの詳しい図鑑に移動できます。

KEEP EXPLORING / つながる生きもの

次の生きものへ。

共通点をたどって、探検を続けましょう。

すべての動物を見る ↗
00 / SOURCES

参考資料と編集上の注意

本文中に生態と根拠をまとめています。

体長・体重・個体数などは対象・性別・調査年で異なります。統一した最新値が確認できないものは断定しません。グループ名は読者にとってわかりやすい編集上の呼び名であり、必ずしも正式な分類階級ではありません。写真は各画像の出典ページから参照しています。撮影者・利用許諾条件はリンク先をご確認ください。

  1. 01
    専門機関のグループ資料分類・生態・行動の確認資料
    原資料 ↗
  2. 02
    クロマグロ の資料分類・生態・行動の確認資料
    原資料 ↗
  3. 03
    ミナミマグロ の資料分類・生態・行動の確認資料
    原資料 ↗
  4. 04
    キハダ の資料分類・生態・行動の確認資料
    原資料 ↗
  5. 05
    メバチ の資料分類・生態・行動の確認資料
    原資料 ↗
  6. 06
    ビンナガ の資料分類・生態・行動の確認資料
    原資料 ↗